日比谷便り ~スウェーデンデンタルセンター オフィシャルブログ~

患者様、コース受講生、歯科医療関係者への最新情報です。 スウェーデン留学中のスタッフ3名によるヨーロッパ歯科最新情報もお伝えします。

Göteborg大学PhDコースについて

東北大学の中村先生からメールが届きましたのでブログに掲載させて頂きます。
以下、中村先生の記事になります…

 

PhDコースについて

イエテボリ大学のPhDプログラムの教育コースでは下記の3つのObligatory courseを受けなければなりません。

1 Introduction to research

科学とは何かとか基礎統計学など4週間かけて学びます。僕の場合は2012年の春に終了しました。

2 Half-time seminar

PhDプログラムがおおよそ半分終了した時点でこれまでの研究成果と今後の研究予定を発表します。Sahlgrenska Academyの中から3人のEvaluation Committeeメンバーが選ばれプレゼン後に各研究課題に関してディスカッションを行います。

3 PhD proficiency course

Grantの申請の仕方などPhDを得た後の研究者としての活動に関する教育です。

 

またObligatoryコースの他に専門コースをいくつかとって必要単位を取得しなければなりません。

研究に関していうと、最低4本の論文が必要となります。

これらの条件をクリアーした後に、学位論文を書き、その後ディフェンスを行うという流れになっています。

 

ちなみに僕の研究テーマとスーパーバイザーは下記の5人です

テーマ:ジルコニアセラミックの歯科応用に関する基礎的研究

Prof. Ulf OrtengrenTromso Universty, Norway)(イエテボリ大学ではAssociate Professorですがメインのスーパーバイザーです)

Prof. Carina Johansson(イエテボリ大学補綴科の現在の教授)

Dr. Percy Milleding(僕が留学していたころの補綴科の准教授(すでに退官されてます))

Dr. Taro Kanno(いわずとしれた菅野先生)

Dr. Erik Adlfsson(セラミックの専門家)

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Half-time seminar後すぐにメインスーパーバイザーであるUlfがノルウェーに帰らないといけないということで前日に食事会を開いてくれました。

イエテボリのMa Cuisine(ドームシルカンのすぐ近くです)というフレンチレストランでご馳走になりました。

スーパーバイザーに加えてGunnarも参加してくれました。

ただ、CarinaErikは先約があり不参加のため写っていません。

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今回のHalf-time seminarはプレゼンが30分に質疑応答が1時間くらいでしたので最終的なディフェンスの半分くらいの時間だったかと思います。

今回は、Prof. Peter LingstromEvaluation Committeeのチェアーマンをしてくれました。

3人のEvaluation Committeeメンバー、スパーバイザー、Prof. Gunnar Carlssonとその他に補綴科から何人か聴きに来てくれました。

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Half-time seminarの後Gunnarが自宅に招待してくれました。

Gunnar宅はSahlgrenskaからMolndal方面に歩いて20分くらいのところです。

19時に伺って、ジントニックとGunnarお手製のおつまみで始まり、その後Gunnarの手料理とSnaps(アルコール度数40%程度)をいただきました。

Gunnar宅にはSnapsが何本もありいろいろと勧められるがままに飲んだのでかなり酔っぱらいました。

そのあとリビングルームに移って夜11:30頃まで菅野先生とともにGunnarの個人レッスンを受けました。

写真はリビングルームで撮影したものです。

ちなみにGunnarは基本的に毎日大学に行って仕事しているとのことでした。ご存知の通りエネルギーに満ち溢れた人です。

 

僕らがイエテボリ到着した日から気温が上がり始めたらしく非常に気持ちの良い5月のイエテボリを満喫できました。

今の時期は朝5時には明るくなり、夜10時過ぎまでずっと明るいといった感じです。

 

ナカニシ東京講演

本日はナカニシ主催の歯周病学の講演がありました。
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秋葉原の会場にて講演風景

講義を聴いている方は衛生士さんが多かった様に思います。
歯科の治療において衛生士さんの存在は欠かせません。それだけ大切な仕事であり、やりがいもあります。自信や誇りをもって日常の仕事に取り組んでもらえればいいのではないかと思います。
そんな中でも、歯周病に関しては衛生士さんの活躍の場が大きい分野になります。
この勉強を楽しめれば、今後の衛生士人生も楽しく、向上できるのではないでしょうか。
弘岡先生の講義は、その一助となるヒントがたくさん隠されています。どうか、それを感じ取って頂ければと思います。
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弘岡先生の講義。何回聞いても新しい発見があるのが不思議である。むしろ聞く程に新しい発見が増えているような…。

また、SDCの衛生士、加藤典さんの講義もありました。
とても丁寧に説明して下さって、話しが分かりやすいです。加藤さんも仕事に関してはとても情熱的ナノですが、すごいことに謙虚さも備えています。
いつもおごらず、自分に厳しいので、見ていて勉強させて頂いています。
今回も、診査やSRPのやり方、いかに患者さんのモチベーションを高め、維持するのか。
加藤さんのリコール患者さんは、口腔衛生の維持を加藤さんと楽しみながらやっている様に感じます。
患者さんの気持ちをつかむその魅力も、加藤さんの能力の1つなのだろうな、と思います。
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加藤さん。あれだけ仕事ができるのに、なぜこれほどに謙虚なのか。


Reunion 再会

  • 2013年06月06日

スウェーデンデンタルセンターの佐藤博久です。

昨日、春季日本歯周病学会が東京、船堀にて開催されました。今学会でメインスピーカーを勤められた、Prof. Renvert先生とは、スウェーデンにいる際、お世話になった先生の一人です。クリスチャンスタット大学はイエテボリから南に約350キロ離れた、自然豊かな場所にあり、この景色こそスウェーデンという感じの所でした。
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クリスチャンスタッド にてRenvert教授。詳しくはこちら
 

私は、弘岡先生よりお迎えの任務を任され、久々の再会に心踊らせながら、成田空港までRenvert先生を迎えに行きました。都内までの道中はやはり、今回の講演内容でもあるインプラント周囲炎の話で持ち切りでした。短い間でしたが、私は特別講義とも言える最高の時間を過ごすことができました。

今回私は、日本歯周病学会で専門医ポスター発表をしてきました。内容としましては、広範型重度慢性歯周炎罹患患者に対し、Shortened Dental Archesにて対応した症例です。Renvert先生は講演後、弘岡先生と共に、私のポスターを見に来て下さいました。(もちろんお迎えの時に概要を説明し来てくれる様頼みました。)治療内容を説明後、とてもいい治療だ。とお褒めのお言葉を頂き、ポスターにサインをして下さいました。
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 ポスターにサインをして頂きました。
 

このポスターは私の宝物の1つとなりました。今度出来上がる私の院長室には、弘岡先生の写真とこのポスターが飾られる事でしょう。
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 ポスターの前で Renvert先生とSDCスタッフで一枚

2013年春期 日本歯周病学会 Renvert教授講演

日本歯周病学会の学術大会が開催されました。今回はProf. Stefan Renvert(Kristianstad University, Sweden)の特別講演がありました。Renvert教授の書かれた"Peri-implantitis"に関しては以前ご紹介させて頂きましたが、インプラント周囲炎をはじめ数多くの論文を書かれている、その道のWorld standardをいく先生の1人になります。果たして世界では今、インプラント周囲炎に関する見解はどのような方向に進んでいるのか、気になるところです。演題は"Epidemiology ,diagnosis and treatment of peri-implantitis."
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講演が始まる前ですが、中央のあたりはもう座れません。期待は高まります。
講演の内容は組織学的な話しから、臨床研究まで幅広かったです。
病気を理解する為には天然歯とインプラントの組織学的な違いを知る必要があると話していました。
インプラント周囲に認められる骨吸収において、加重によるものと感染によるもののレントゲン所見の違いやリスク因子、インプラント周囲炎に認められる細菌、天然歯との炎症の波及の違いなどはじめから盛りだくさんでした。
また、臨床における考察もとても勉強になりました。やはりプローブの重要性はたくさん話されていた様に感じます。 レントゲン撮影とプローブ診査を組み合わせる事が大切だという事です。

Epidemiologyは定義により異なるが、EAOではどのぐらいだと考えられているのか。
上部構造は清掃性を考慮しなければいけない、その根拠となる研究データ、インプラントを長期的に安定させるにはメインテナンスプログラムをくみ良好な口腔衛生を保つ事が必須である、など全てとりあげていけば1時間はかかります。
自分が普段吸収している知識に偏りはないかを確認しつつ、新たな解釈、可能性を知る、とてもいい機会を得る事が出来ました。
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講演をされるProf. Renvert 
気になるのは治療法ですが、非外科処置や抗菌療法、外科処置や移植材の応用など様々な説明を臨床資料を交えながら説明されていました。色々な道具や治療法で効果が上がってはいるのかもしれませんが、やはり高い成功率を維持している確立された処置方法はないように感じました。非外科処置を行っても、外科処置が必要になる事も多い、たとえ外科処置を行ってもインプラント表面のバクテリアを完全に取り除く事は不可能である、などその治療の難しさを感じます。
だからこそ、天然歯同様、もしくはより繊細に定期的なSupportive therapy を行い、良好な口腔衛生を保ち、病気の兆候を見逃さない様にする事が大切なのだと思います。
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左から今回の学術大会の大会長である山本教授、弘岡教授、Renvert教授の3人で記念写真。
なにかの知識を吸収するとき、そこには少なからず偏りが生じます。人の手が介入すればする程その源泉はわからなくなってしまうものだと思います。特に、商業が関わるだけに純粋に学術的な知識を得る事はこの情報社会においても難しいのかもしれません。
今回の様に、最前線で研究をやられている先生のお話を直接聞く事が出来るのは本当に恵まれた機会だと思いました。
また、弘岡先生が普段話している事と似たお話も多く、確かな世界的な基準、方針があるのだと確信しました。たくさんの情報があふれている中、最低限共通するステージがあり、そのさらに上の部分に個人の見解が生まれてくるのかなと感じました。
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佐藤先生のポスターの前。Renvert教授とSDCメンバー
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