日比谷便り ~スウェーデンデンタルセンター オフィシャルブログ~

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2013年春期 日本歯周病学会 Renvert教授講演

日本歯周病学会の学術大会が開催されました。今回はProf. Stefan Renvert(Kristianstad University, Sweden)の特別講演がありました。Renvert教授の書かれた"Peri-implantitis"に関しては以前ご紹介させて頂きましたが、インプラント周囲炎をはじめ数多くの論文を書かれている、その道のWorld standardをいく先生の1人になります。果たして世界では今、インプラント周囲炎に関する見解はどのような方向に進んでいるのか、気になるところです。演題は"Epidemiology ,diagnosis and treatment of peri-implantitis."
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講演が始まる前ですが、中央のあたりはもう座れません。期待は高まります。
講演の内容は組織学的な話しから、臨床研究まで幅広かったです。
病気を理解する為には天然歯とインプラントの組織学的な違いを知る必要があると話していました。
インプラント周囲に認められる骨吸収において、加重によるものと感染によるもののレントゲン所見の違いやリスク因子、インプラント周囲炎に認められる細菌、天然歯との炎症の波及の違いなどはじめから盛りだくさんでした。
また、臨床における考察もとても勉強になりました。やはりプローブの重要性はたくさん話されていた様に感じます。 レントゲン撮影とプローブ診査を組み合わせる事が大切だという事です。

Epidemiologyは定義により異なるが、EAOではどのぐらいだと考えられているのか。
上部構造は清掃性を考慮しなければいけない、その根拠となる研究データ、インプラントを長期的に安定させるにはメインテナンスプログラムをくみ良好な口腔衛生を保つ事が必須である、など全てとりあげていけば1時間はかかります。
自分が普段吸収している知識に偏りはないかを確認しつつ、新たな解釈、可能性を知る、とてもいい機会を得る事が出来ました。
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講演をされるProf. Renvert 
気になるのは治療法ですが、非外科処置や抗菌療法、外科処置や移植材の応用など様々な説明を臨床資料を交えながら説明されていました。色々な道具や治療法で効果が上がってはいるのかもしれませんが、やはり高い成功率を維持している確立された処置方法はないように感じました。非外科処置を行っても、外科処置が必要になる事も多い、たとえ外科処置を行ってもインプラント表面のバクテリアを完全に取り除く事は不可能である、などその治療の難しさを感じます。
だからこそ、天然歯同様、もしくはより繊細に定期的なSupportive therapy を行い、良好な口腔衛生を保ち、病気の兆候を見逃さない様にする事が大切なのだと思います。
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左から今回の学術大会の大会長である山本教授、弘岡教授、Renvert教授の3人で記念写真。
なにかの知識を吸収するとき、そこには少なからず偏りが生じます。人の手が介入すればする程その源泉はわからなくなってしまうものだと思います。特に、商業が関わるだけに純粋に学術的な知識を得る事はこの情報社会においても難しいのかもしれません。
今回の様に、最前線で研究をやられている先生のお話を直接聞く事が出来るのは本当に恵まれた機会だと思いました。
また、弘岡先生が普段話している事と似たお話も多く、確かな世界的な基準、方針があるのだと確信しました。たくさんの情報があふれている中、最低限共通するステージがあり、そのさらに上の部分に個人の見解が生まれてくるのかなと感じました。
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佐藤先生のポスターの前。Renvert教授とSDCメンバー

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