「インプラント周囲病変」を広く啓蒙するために昨年5月チューリッヒで国際歯科連盟(FDI)主催のワークショップ(Peri-Implant Diseases Project Workshop)が開かれました。その時のポジションペーパー Hirooka H, Renvert S. (2019) Diagnosis of Periimplant Disease. Implant Dent. 2019 Apr;28(2):144-149. に引き続き、white paper(白書, コンセンサスレポート)がFDIの学術誌International Dental Journalから特集号として今回出版されました。https://onlinelibrary.wiley.com/toc/1875595x/2019/69/S2
私は上記のDiagnosis and non‐surgical treatment …….. – Consensus report of working group 3を担当しました。今回はエビデンスベースと言うよりQ&A形式でこの病変をわかりやすく解説しています。著名な研究者達と仕事を出来たことは大変刺激になりました。今回もRenvert教授には大変お世話になりました。https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/idj.12490
Working group 3 の面々、左からHirooka, Renvert, Wang, Kelekis-Cholakis
スウェーデンではインプラント周囲病変が社会問題にまでなっています。インプラント周囲粘膜炎が周囲炎にまで進行すると確定した治療方法は見つかっていません。この病気にかかっても多くの患者さんに自覚症状がありません。ゆえに早期の確定診断が必要です。スウェーデンでは多くの患者さんは一般医で発見されて専門医〔歯周病医〕に紹介されてきます。
会議中インプラント周囲病変について患者さんへの啓蒙の必要性を感じました。イエテボリ大学大学院時代のクラスメート、G. Serino先生もスウェーデンから招聘されていて彼も同意見で、2人で有効な患者教育用ツールを作製し始めました。まもなく医歯薬出版から出版予定です。”Dr. 弘岡に訊く臨床的ペリオ講座 Special Issue -歯周病とインプラント周囲病変の患者説明ブック” ご期待ください!