日比谷便り ~スウェーデンデンタルセンター オフィシャルブログ~

患者様、コース受講生、歯科医療関係者への最新情報です。

”Dr. 弘岡に訊く臨床的ペリオ講座 Special Issue -歯周病とインプラント周囲病変の患者説明ブック”

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本書は、弘岡先生が参加した、2018年5月にチューリッヒで開催された国際歯科連盟(FDI) 主催の「インプラント周囲病変」を啓蒙するためのワークショップにて、スウェーデンから招聘されていた、弘岡先生のイエテボリ大学大学院時代のクラスメイトGiovanni Serino先生との休憩中の雑談からアイディアが浮かび誕生しました。

FDIでの会議中に、インプラント周囲病変について患者さんへの啓蒙の必要性を感じ、海外の多くの著名な歯周病医との意見交換から得られた知見を元に、Serino先生と共著で、患者さんのコンプライアンス向上に繋がる有効な説明用ツールとなる患者説明用ブックが出版されました。
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歯周病やインプラント周囲病変の予防と治療におけるキーポイントは、患者さんのモチベーションの向上です。そのためには、病気について正しい知識を伝えることが重要です。病気の予防と術後の良好な予後を望むためには、患者さんに病気に対する理解を深めてもらい、治療に参加してもらう必要があります。歯科医療のプロフェッショナルとして、患者さんの状況に合わせ、病気のこと、検査のこと、治療のことをわかりやすい言葉で過不足なく伝える技術が求められます。

各項目の最初のページには、患者さんにそのまま見てもらうために、平易な文章とわかりやすいイラストや臨床例を多く掲載しています。裏面には説明を行うスタッフ向けに、エビデンスや臨床に即した知識がコンパクトに解説されています。
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また、チェアサイドで使用できる、歯周病とインプラント周囲病変の病態や歯周外科、インプラント治療の説明用カードが12枚付録でついてきます。(購入者にはカードのPDFデータがダウンロードできます!)
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iPad等にダウンロードした説明用カードのPDFデータを取り込み、描画ツールを用い画面上に直接書き込むことで、さらに説明しやすくなります。

誰もが理解しやすいシンプルな本書ですが、読み深めると、知識が豊富な専門医や情報過多で大渋滞中の方にも、知識の整理と確認に役立ち、読めば読むほど味が出る、スルメ、いやビーフジャーキーのような、噛めば噛むほど肉の美味さが楽しめる、甘いだけのビーフジャーキーにはもう飽きたという方にもオススメのbookとなっております。

”Dr. 弘岡に訊く臨床的ペリオ講座 Special Issue -歯周病とインプラント周囲病変の患者説明ブック”
  • Posted by sweden_dc
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「スウェーデンの歯科衛生士から学ぶ!歯科衛生士のためのベーシックペリオ講座+インプラント」が発刊されました。

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 本書は私どもの診療所、スウェーデンデンタルセンター(SDC)の衛生士業務全般がわかるようになっています。SDCの主任歯科衛生士、加藤典の力作です。もちろん患者主体のスカンジナビア歯周病学にのっとって、これまで25年近くSDCで実践してきた内容を、臨床写真、イラスト盛りだくさんで紹介しています。イエテボリの知り合い歯科衛生士のアドバイスが秀悦です。本書を読んでいただければ、スウェーデンでできた歯科医療、衛生士の業務は、やはり日本でも可能なんだと納得できると思います。通読してスカンジナビア歯周病学を学ぶのも、あるいはQ&A方式で書かれているので、日々疑問が出たときに本書を開いて問題解決することもできます。エビデンスは最小に押さえていますので、必要なエビデンスは前著”DR. 弘岡に訊く1, 2”を参照してください。

https://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=463090

https://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=463120

是非、日々の臨床の参考にしてください。


  • Posted by sweden_dc
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FDIの学術誌International Dental Journalからインプラント周囲病変の特集号が出版されました。

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「インプラント周囲病変」を広く啓蒙するために昨年
5月チューリッヒで国際歯科連盟(FDI)主催のワークショップ(Peri-Implant Diseases Project Workshop)が開かれました。その時のポジションペーパー Hirooka H, Renvert S. (2019) Diagnosis of Periimplant Disease. Implant Dent. 2019 Apr;28(2):144-149. に引き続き、white paper(白書, コンセンサスレポート)がFDIの学術誌International Dental Journalから特集号として今回出版されました。https://onlinelibrary.wiley.com/toc/1875595x/2019/69/S2

私は上記のDiagnosis and non‐surgical treatment …….. – Consensus report of working group 3を担当しました。今回はエビデンスベースと言うよりQ&A形式でこの病変をわかりやすく解説しています。著名な研究者達と仕事を出来たことは大変刺激になりました。今回もRenvert教授には大変お世話になりました。https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/idj.12490

IMG_3888Working group 3 の面々、左からHirooka, Renvert, Wang, Kelekis-Cholakis

 スウェーデンではインプラント周囲病変が社会問題にまでなっています。インプラント周囲粘膜炎が周囲炎にまで進行すると確定した治療方法は見つかっていません。この病気にかかっても多くの患者さんに自覚症状がありません。ゆえに早期の確定診断が必要です。スウェーデンでは多くの患者さんは一般医で発見されて専門医〔歯周病医〕に紹介されてきます。

会議中インプラント周囲病変について患者さんへの啓蒙の必要性を感じました。イエテボリ大学大学院時代のクラスメート、G. Serino先生もスウェーデンから招聘されていて彼も同意見で、2人で有効な患者教育用ツールを作製し始めました。まもなく医歯薬出版から出版予定です。”Dr. 弘岡に訊く臨床的ペリオ講座 Special Issue -歯周病とインプラント周囲病変の患者説明ブック ご期待ください!

  • Posted by sweden_dc
  • 17:56 | Edit

やっと出ました!Revert教授との連名で“Diagnosis of Periimplant Disease

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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30807404

 昨年
514-15日、スイス・チューリッヒにおいて国際歯科連盟(FDI)主催で国際口腔インプラント学会(ICOI)の協力のもと、インプラント周囲病変について各国から20名ほどの専門医が招聘され、ワークショップ(Peri-Implant Diseases Project Workshop)が開かれました。
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Working group 3 の面々、左からHirooka, Renvert, Wang, Kelekis-Cholakis


 現在では、インプラントは広く普及して一般的なものとなり、インプラントを行わない歯科医師のもとにもインプラント周囲病変の患者さんが訪れる時代になっています。
2015年の欧州歯周病学会(EFP)のコンセンサスレポートによるとインプラント周囲粘膜炎の有病率は43%、インプラント周囲炎は22%と報告されています。ひとたびインプラント周囲炎になると、現在のところ確定した治療方法は見つかっていないゆえに予防がキーです。

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 そこで広くインプラント周囲病変(診断から、治療、メインテナンスまで)について専門医はもちろん、一般臨床医、歯科技工士、歯科衛生士、そして患者さんにも理解してもらうために
FDIの声かけのもとワークショップが開かれたわけです。

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FDI, ICOI: Peri-Implant diseases Project Workshopに招聘された面々

 この時の会議の
position paper (review paper)ICOIImplant Dentistryに出版されました(April 2019 - Volume 28 - Issue 2  https://journals.lww.com/implantdent/pages/currenttoc.aspx)。まるまる1冊インプラント周囲病変(診断から、治療、メインテナンスまで)について最新の情報が、一般医にもわかりやすくまとめられていますので、是非参考にして下さい。
 私の担当が、S. Revert教授との連名で “Diagnosis of Periimplant Disease”https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30807404です。米国歯周病学会(AAP)とEFPでの分類は、歯周病やインプラントに携わる専門家を対象としたものですが、FDIの要望で一般医にも理解しやすく書いたつもりです。
 先日FDIの学術誌 “International Dental Journal” (IDJ)からacceptがきたので近々この時のコンセンサスレポート(whitepaper)が出る予定です。楽しみにしていて下さい。
Peri-Implant Diseases Project Workshop. Diagnosis and non-surgical treatment of peri-implant diseases and maintenance care of patients with dental implants .Consensus report of working group 3.
Renvert, Hirooka, Polyzois, Kelekis-Cholakis, Wang

 

  • Posted by sweden_dc
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Nobel Biocare社表敬訪問

先日、スウェーデンデンタルセンターにスウェーデンに本社を持つインプラントメーカーNobel Biocare社アジアパシフィック地域ゼネラルマネージャーのScott Rootさんが表敬訪問されました。
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弘岡先生がスウェーデン留学時代にインプラント開発のお手伝いをしていたAstra Tech社に所属していたこともあったとのことです。Nobel Biocare社、Astra Tech社ともにスウェーデンデンタルセンターで使用しているインプラントシステムであり、スウェーデンでの話やブローネマルク教授、リンデ教授などインプラントに関わった偉大な教授達との思い出話で盛り上がりました。
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また、先日発売された弘岡先生の著書「歯周病患者のインプラント治療」を見て、開業医がこのような教科書を書いたことに大変驚いておりました。
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今後、お互い連絡を取り合ってインプラント治療の向上に貢献することを約束しました。 
  • Posted by sweden_dc
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