「弘岡秀明ペリオコース プライベートセミナー」を開催いたしました。

「非外科治療の大逆襲」と題する特別セミナーの講師は、スカンジナビアンアプローチを日本で実践的に伝える弘岡秀明先生、そして、非外科的歯周病治療器「ブルーラジカルP-01」および患者行動変容アプリ「ペリミル」の開発者である東北大学・菅野太郎教授。
第1部:スカンジナビアンアプローチの再定義──非外科の“限界と可能性”

第2部:新時代の歯周治療とは──“歯”だけでなく“人”へのアプローチ

第3部では、弘岡先生と菅野教授が再登壇。
患者様、コース受講生、歯科医療関係者への最新情報です。
2024年度弘岡ペリオコースが終了しました。
1年間 全6回12日間に及ぶ「2024年度弘岡秀明スカンジナビアペリオコース」が終了となり卒業式、帝国ホテル”扇の間”にて行われました。
コースでは弘岡先生自身の20、30年の長期症例や歯周病に携わるなら誰もが知っていなければいけない論文から最新のトピックス を解説していただきました。
スライドには弘岡先生から受講生への「抜歯の前にできる限り歯牙の保存を」とメッセージがあり、ケースディスカッションや実習を通して理解が深まり、共通意識がある仲間と共に切磋琢磨することができました。
また、コース内でのケースディスカッションでは、重度歯周病に罹患した患者さんの治療計画をグループにわかれて一緒に考えていき、ケースを疑似体験し、深く考えることにより、理解が深まりました。
実習では、歯周組織検査で必要な口腔内規格写真の撮影方法から、非外科処置で必要なSRPの実習、歯周外科処置の知識を得た上での動画、模型での実習、豚顎を用いた実習(エムドゲイン®療法を含む)や、「歯周補綴の有効性」「歯周病罹患患者におけるインプラント治療」や「歯周病罹患患者への矯正治療」についても、今までの内容に更にアップデートされた、患者に寄り添うスカンジナビアアプローチを実際の臨床に落とし込んでいきます。
最後に1年を共に勉強した仲間と帝国ホテルのバー”アクア”にて楽しみました。
実際の臨床で新しい治療方法なども大切ですが、長期予後や論文などを知ることにより、より日々の臨床が充実し、明日からの患者さんに還元されることは間違いないと思います。
「2025年度 弘岡秀明歯周病学コース」が今年30周年になります。募集を開始致しましたので是非ご参加お待ちしています。
当院では、歯周病治療器 「ブルーラジカルP-01」 を導入し、6月より本格稼働しています。なんと、名誉ある2号機です!(ちなみに1号機は開発した東北大学 菅野太郎教授のところです。)
歯科雑誌 “歯界展望“最新号(2024年8月)で、菅野先生と ”ブルーラジカルP-01の歯周病治療における臨床的効果について考察しています。
「ブルーラジカルP-01 により,重度歯周病罹患歯の深さ6~9 mm の歯周ポケットを歯周治療のエンドポイントである5mm以下にできる有効な非外科治療の手段で患者にとっても外科処置を回避でき可能性が高いことは大きなメリットである。」と結論づけています。
この治療機器を開発した菅野先生とは私の東北大臨床教授時代を含めて20年来の付き合いで、治験を行う際にも臨床医としての立場からディスカッションを重ねてきました。開発が始まって17年、その機器が「歯周病の医療機器」として世の中に出たことを聞いたときは感慨深いものがありました。
ブルーラジカルP-01は、器具の先端のチップの超音波振動で歯面の歯石・プラークを除去しながら、その先端から供給される3%過酸化水素に波長405 nm の青色レーザーを照射することヒドロキシルラジカル(活性酸素)を発生させ、これまで難しかった歯周病の原因である歯面に付着したバイオフィルムの中の細菌を殺菌することができます。歯科の医療機器として初めて治験を通した歯周病治療器です。
東北大学で行った治験では、治療後3ヶ月の徹底的な口腔ケアがあったからこそ、従来法より良い結果となりました。歯周病治療には、患者様の協力が必要不可欠です。この協力を促すためにブルーラジカルP-01にはIOT:Internet of Things が導入されており(ペリミル)患者のスマートフォンと情報共有がされ患者の行動変容を促す治療プログラムが設定されていて患者さんが積極的に治療に参加できるように工夫されています。
当院では導入に先立ってブルーラジカルP-01でインプラント周囲炎(インプラント周囲の炎症性疾患)の治療を行ったところ、PPD<5 mm、BoP(-)、pus(-)、x線上で骨の回復がみとめられ患者様は排膿を伴う腫脹がなくなりインプラント周囲の違和感がなくなったと治療に満足されました。
重度歯周病の深いポケット以外にも、今まで治すことが難しかった根分岐部病変Ⅱ度やインプラント周囲疾患に対する効果に期待をしており、当院で臨床例を積み重ね、開発者の菅野先生と一緒に発信していきたいと考えています。
2024年5月18,19日に「2024年度 弘岡秀明ペリオコース」が始まりました。
本コースは通算25年以上に渡り開催されておりますが、今年度はこれからスカンジナビアンアプローチを学び日々の臨床に役立てたい先生方はもとより、歯科衛生士の方や、当コースを過去に受講された再聴講生の先生方など、様々な受講生が集まりました。
これから1年間を通して、弘岡先生がスウェーデンイエテボリ大学で歯周病学の世界的権威Lindhe教授のもとで学ばれた、「スカンジナビアンアプローチ」(Carranza ;
History of periodontology 2003) について学んでいきます。
講義では、歯周治療に携わる者なら誰でも知っているような有名な論文からインプラント周囲炎などの最新のトピックについて、弘岡先生自身の20年,30年と長期に渡る症例を提示しながら、その著者本人と直接知り合っていたりディスカッションしてこられた人しか知らない裏話を織り交ぜて解説していきます。
本コースは弘岡先生が出版された「コレクテッド エビデンス」や「Dr.弘岡に訊く臨床的ペリオ講座“スカンジナビアンアプローチの実践”」の内容に沿って進められますので、これらを購読しながら勉強することでより理解が深まることでしょう。
さて、第1,2日目では歯周病学の基礎である生物学や病因論、検査法などについての講義の他、重度歯周病に罹患した患者さんが来院した際の治療計画について、2グループにわかれてディスカッションしました。
また実習では規格性のある口腔内写真撮影の方法について学びました。
一日目の夜には入学式がグランドプリンスホテル高輪にて行われました。乾杯の音頭はスウェーデン式の「スコール!」で!
次回からは受講生の方々によるケース発表も始まりますので熱いディスカッションが期待されます!