日比谷便り ~スウェーデンデンタルセンター オフィシャルブログ~

患者様、コース受講生、歯科医療関係者への最新情報です。

ブルーラジカルP-01 2号機、本格稼働

  • 2024年08月06日

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当院では、歯周病治療器 「ブルーラジカル
P-01」 を導入し、6月より本格稼働しています。なんと、名誉ある2号機です!(ちなみに1号機は開発した東北大学 菅野太郎教授のところです。)

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歯科雑誌
 “歯界展望“最新号(20248)で、菅野先生と ”ブルーラジカルP-01の歯周病治療における臨床的効果について考察しています。

「ブルーラジカルP-01 により,重度歯周病罹患歯の深さ69 mm の歯周ポケットを歯周治療のエンドポイントである5mm以下にできる有効な非外科治療の手段で患者にとっても外科処置を回避でき可能性が高いことは大きなメリットである。」と結論づけています。
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この治療機器を開発した菅野先生とは私の東北大臨床教授時代を含めて20年来の付き合いで、治験を行う際にも臨床医としての立場からディスカッションを重ねてきました。開発が始まって17年、その機器が「歯周病の医療機器」として世の中に出たことを聞いたときは感慨深いものがありました。



ブルーラジカルP-01は、器具の先端のチップの超音波振動で歯面の歯石・プラークを除去しながら、その先端から供給される3%過酸化水素に波長405 nm の青色レーザーを照射することヒドロキシルラジカル(活性酸素)を発生させ、これまで難しかった歯周病の原因である歯面に付着したバイオフィルムの中の細菌を殺菌することができます。歯科の医療機器として初めて治験を通した歯周病治療器です。

東北大学で行った治験では、治療後3ヶ月の徹底的な口腔ケアがあったからこそ、従来法より良い結果となりました。歯周病治療には、患者様の協力が必要不可欠です。この協力を促すためにブルーラジカルP-01にはIOTInternet of Things が導入されており(ペリミル)患者のスマートフォンと情報共有がされ患者の行動変容を促す治療プログラムが設定されていて患者さんが積極的に治療に参加できるように工夫されています。

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当院では導入に先立ってブルーラジカル
P-01でインプラント周囲炎(インプラント周囲の炎症性疾患)の治療を行ったところ、PPD5 mmBoP(-)pus(-)x線上で骨の回復がみとめられ患者様は排膿を伴う腫脹がなくなりインプラント周囲の違和感がなくなったと治療に満足されました。


重度歯周病の深いポケット以外にも、今まで治すことが難しかった根分岐部病変Ⅱ度やインプラント周囲疾患に対する効果に期待をしており、当院で臨床例を積み重ね、開発者の菅野先生と一緒に発信していきたいと考えています。

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2024年度弘岡秀明ペリオコース始まりました!


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518,19日に「2024年度 弘岡秀明ペリオコース」が始まりました。

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本コースは通算25年以上に渡り開催されておりますが、今年度はこれからスカンジナビアンアプローチを学び日々の臨床に役立てたい先生方はもとより、歯科衛生士の方や、当コースを過去に受講された再聴講生の先生方など、様々な受講生が集まりました。

 

これから1年間を通して、弘岡先生がスウェーデンイエテボリ大学で歯周病学の世界的権威Lindhe教授のもとで学ばれた、「スカンジナビアンアプローチ」(Carranza ; History of periodontology 2003) について学んでいきます。

 

講義では、歯周治療に携わる者なら誰でも知っているような有名な論文からインプラント周囲炎などの最新のトピックについて、弘岡先生自身の20,30年と長期に渡る症例を提示しながら、その著者本人と直接知り合っていたりディスカッションしてこられた人しか知らない裏話を織り交ぜて解説していきます。

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本コースは弘岡先生が出版された「コレクテッド エビデンス」や「Dr.弘岡に訊く臨床的ペリオ講座“スカンジナビアンアプローチの実践”」の内容に沿って進められますので、これらを購読しながら勉強することでより理解が深まることでしょう。

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さて、第1,2日目では歯周病学の基礎である生物学や病因論、検査法などについての講義の他、重度歯周病に罹患した患者さんが来院した際の治療計画について、2グループにわかれてディスカッションしました。

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また実習では規格性のある口腔内写真撮影の方法について学びました。

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一日目の夜には入学式がグランドプリンスホテル高輪にて行われました。乾杯の音頭はスウェーデン式の「スコール!」で!

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次回からは受講生の方々によるケース発表も始まりますので熱いディスカッションが期待されます!


 

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東京大学安田講堂

弘岡先生が東京大学安田講堂で講演しました。 
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スウェーデンからは歯周病学とう蝕学の教授陣が来日しました。
弘岡先生と10年来の友人でもあるStefan Renvert教授は、インプラント周囲炎に関するベーシックな講義で、インプラント周囲炎治療の現在の到達点をわかりやすく講義してくれました。
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続く弘岡先生もインプラント周囲炎について、実際の臨床例を提示しながらの講演しました。
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イエテボリ大学歯学部学部長を務めるPeter Lingstrom教授は、フッ化物含有ペーストの推奨される使用方法として、
歯の萌出時からは濃度1000ppmを子供の爪くらいの量で1日2回、2歳から6歳までは1000ppm エンドウ豆程度を1日2回、6歳以上は1450ppm、1-2cmを1日2回、12歳以上は1450ppm、2cmを1日2回の使用を説明していました。先日発表された日本でのアップデートとほぼ同一の内容なので、欧米のスタンダードとの一致を再確認できました。その他、フッ化物歯面塗布法として、NaF含有マウスウォッシュ、カスタムトレーによるフッ化物ジェル、5000ppmぺースト、22600ppmフッ化物バーニッシュ等も詳しく講義してくれました。
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先日ジャーナルクラブで講演していただいたDowen Birkhed教授同様、う蝕予防におけるフッ化物の使用を強調していました。 
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Prof. Dowen Birkhed特別講演会

スウェーデンカリオロジー界の巨匠Dowen Birkhed教授がジャーナルクラブで講演しました。ジャーナルクラブでは久しぶりの国外スピーカーへの依頼です。
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Dowen Birkhed教授は、弘岡先生がイエテボリ大学歯周病科の大学院一期生だった1990年に、マルメ大学のカリオロジーの教室から巨人Bo Krasse教授の後任としてイエテボリ大学に着任し、弘岡先生も直接指導を受けたそうです。IADR(国際歯科研究会)での受賞歴もあるカリオロジーの分野では高名な先生です。
講演前にはスウェーデンデンタルセンターを表敬訪問し、弘岡先生の留学時代のBirkhed教授による試験問題について討論していました。
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講演はスウェーデンデンタルセンター隣のビルの11階にできた東京タワーが見える最新の会場で、歯周治療後には避けて通れない根面カリエスについて最新情報を提供してもらいました。通訳はDowen教授と旧知のなかの、NPO法人「科学的なむし歯・歯周病予防を推進する会」(PSAP)理事長・歯科医師の西真紀子先生です。 
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根面にはミネラルが足りないのでう蝕になりやすいが、う蝕処置に用いられるいかなる修復材料も推奨されるエビデンスがないため、予防することが大切であること、予防には高濃度フッ化物ぺーストと進行抑制には38%フッ化ジアミン銀の使用、そしてイエテボリメソッドについてエビデンスベースで再確認しました。
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Toothbrushing techniqueではなくToothpaste technique!

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臨床に直結する最新情報とともに、受講生にご自身でラッピングしたプレゼントを配布してくれました。

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日比谷公園内の松本楼での懇親会では質問がたくさん出ていました。
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国際口腔インプラント学会東京WEB講演会(第4回)

国際口腔インプラント学会東京WEB講演会の4回目の収録が終わりました。
今回は『歯周病患者のインプラントの実際』について講義しています。

まずは復習、今回の講義に大きく関連する「歯周病患者にインプラントは応用可能か?」からスタートです。
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無歯顎に対するインプラントでは上下顎とも生存率が高く(Adell1990)、非常に有効な方法であり、また、部分欠損に応用されたインプラントも無歯顎と同様に予知性の高い治療方法であることが報告されています(Lekholm1994)。一方、歯周病患者への適用では10年で90%の生存率(Karousis2003)が報告されています。適切な歯周治療により感染を徹底的に除去してからの埋入と、インプラント埋入後の厳格なサポーティブセラピーによる歯周組織の健康維持が必須(Roccuzzo2010)ではありますが、歯周病患者にも十分に応用可能であることがわかります。
実際の臨床で遭遇する歯周病による骨吸収で埋入困難な症例に対してのショートインプラント(Schincaglia2015)や傾斜埋入(Koutouzis2007)またカンチレバー(Aglietta2009)による対応(クインテッセンス・デンタル・インプラントロジー2022, 09弘岡、折居にて詳しく説明)Dr加治との矯正、インプラント歯周補綴でのキーアンドキーウェイKey & Keywayを使った2025年の長期症例の解説がされました。いずれの症例も徹底的な感染の除去と厳格なサポーティブセラピーが必要であり、リスクは天然歯よりも高いということを常に忘れてはいけないのでしょう。つまり、患者さんが通院してくれること、患者さんと歯科医師、技工士、歯科衛生士のチーム医療でないと守ることができないということです。
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そして、サポーティブセラピーにおいてもインプラント周囲粘膜炎とインプラント周囲炎の鑑別、インプラント周囲炎に対しての有効な治療がない以上、少なくともインプラント周囲粘膜炎の状態で見つけ、病気の進行を止めなければならなりません。その重要なサポーティブセラピーでの注意点をスウェーデンデンタルセンターの歯科衛生士加藤典が解説するウェビナーは近日公開定です!! 

林 

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