日比谷便り ~スウェーデンデンタルセンター オフィシャルブログ~

患者様、コース受講生、歯科医療関係者への最新情報です。

Special interview from Borås ~No.7~

帰国を間近に控えながらも、今週は、弘岡先生の知り合いであるレノバート教授の所へ見学に行った。今、弘岡先生が日本でも彼の著書を日本語に翻訳している最中である。
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教授の大学は、クリスチャーンスタッドという所にあり、イエテボリからは南へ約270キロの場所である。帰国の準備で前日入りすることはできないので、朝4時に起床して車で約3時間半かけて行く事にした。

道中は長かったが、無事に到着する事が出来た。周囲は思ったよりにぎやかではなく、むしろ静かな所だった。イエテボリから南に下っただけでも少し暖かくも感じ、なぜが陽気な気分にもなった。

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正門前の写真

 

正門に着いた後、場所が分からない為、教授に連絡を入れたら、建物の下にまで迎えにきてくれるということなので、大学構内を良く観察しながら、教授のいる棟へと向かった。

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棟の入り口

 

到着後久しぶりの再会に話が盛り上がり、今研究中の話まで包み隠さず教えてくれた。今は、週に1日の臨床を行い、他の日は全て研究に当てているという。この見学の前日も研究に関してのディスカッションを遠方の場所で行ってきたとの事であった。それにしても疲れた様子はなく、楽しげにいろいろと話してくれた。それに加え、教授の側近の衛生士さんとも話す機会が出来、いつのまにか、ケースを見ながら講義が始まっていた。とてもありがたい事なので、1言も聞き漏らさないように全神経を集中し講義を聴いていた。後で気が付けば、その講義の写真を撮り忘れてしまった、、。

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Prof. Stefan Renvert
 と 私

 

この大学は歯学部がなく、歯科衛生士科がある。皆さんもご存知かもしれないが、スウェーデンの歯科衛生士は麻酔やレントゲン撮影もすることができる。この日は学生実習があるというので同行させてもらった。

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実習室の様子

 

本日の実習内容は、スケーリングとレントゲン撮影であった。事細かに先生が、施術の際のポジショニングやスケーリングの仕方、ミラーの使い方、レストの位置などを説明していた。先生1人に対し、学生4人という様な割合であっただろうか。見た感じはかなりマンツーマンな感じに思えた。毎回実習にも試験があり、スケーリングに関してはパスしないと次の項目に進めず、レントゲン撮影に関しては、自分の納得出来るフィルムができるまで、試行錯誤しながら撮影していた。やはり、こちらは考えさせるという教育が重視されている様に思え、私から見ると、みんな真剣ではあるが楽しそうに行っていた。
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今からまた、帰国の準備に入ります。 
Vi ses snart!! 

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Special interview from Borås ~No.6~

先週、念願のブローネンマルククリニックを見学できる機会を得る事が出来た。セリーノ先生の友人であるトゥーリ先生は現在このクリニックに勤務しており、このクリニックは口腔外科医、歯周病医、補綴医、歯科衛生士によって構成されている。
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直近の駅で待ち合わせ後、すぐにクリニックへと向かった。

まず、いつもと同じユニフォームに着替え、今日はどんな手術が見られるかと緊張して待っていると、この日は口腔外科医であるフリーベル先生がサイナスリフトの手術があるというので見学することにした。フリーベル先生は、このブローネンマルククリニックが出来た時代から勤務しており、様々な文献も発表している先生である。DSC_2804

















手術をする部屋はとても整頓され、清潔な状態であった。もちろん、特別な手術室ではなく、ここで、抜糸や患者の経過をもここで行っているとの事である。
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滅菌帽を被り静かに待っていると、先生が現れ、簡単な挨拶を交わした後、すぐに患者さんの治療計画を細かく教えてくれた。なんと親切な先生なのだろうと思っていた矢先、鋭い質問が飛んできた。“君は日本人だけど、カメラ持ってきていないの?”もちろん冗談まじりである。僕は、“もちろん持ってきてはいますが、診療室までは、持ってきていません。”日本人はこの様に思われているのか、、と思いつつもすかざず僕も質問する事により、この微妙な雰囲気から脱出する事が出来た。フリーベル先生の手術は、とても繊細でスピーディーなものであった。あっという間に手術は終わり、その後も、術後のメンテナンスの患者さんなど、いろいろ見学する事ができた。その都度、質問する時間があったので、とても有意義な時間を過ごす事ができた。

帰り際、“また来ても良いですか?”と尋ねると、快く“もちろん!”と言ってもらい、“よし!僕も少しでも貢献しよう”と購買部にいったら、お休みで何も買えませんでした。

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平成24年度 弘岡秀明 歯周病学コース 卒業式

本日、平成24年度最後の”弘岡秀明歯周病学コース”がありました。

ケースプレゼンテーション、弘岡先生の講義、 そして特別講師として、古賀剛人先生、加治初彦先生の講義がありました。
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弘岡先生の講義。Classification, Antibiotics, Perio-implant。いくつも論文を出してはその背景から考察まで話してくれます。

まず受講生の先生方のケースプレゼンテーションです。
明らかに口腔内写真、デンタルエックス線写真、きれいになっていました。治療計画には説得力がありますし、歯周外科も治療に含まれ、はじめの頃より大きく成長されています。
見させて頂いてびっくりしました。一年でここまで成長出来るのだと感動しました!
SRPの後の歯が輝いていましたね。(たとえでなく本当に)

一度弘岡先生の講義を受けて頂ければ感じると思いますが、このコースにはもちろん実習なども含まれていますが、特に重要なのは、今後どう勉強し、自分や病院を向上させていくのか、学び方を学ぶ事が出来るということだと思います。
治療計画を聞いても明らかな変化が感じ取れました。例えば、抜歯の適応に関してです。
はじめの頃は、抜歯を選択した時に、なぜ抜歯なのか問われると人の前で話す自分の考えに不安を持っているように感じられました。
しかし今では、聞かれるまでもなく、講義で習った様々な保存方法を検討し、どういう理由からなぜ抜歯の適応としたのか、その理由から説明が始まるのです。これはとてもすごい変化だと思いました。この考え方の変化こそ、今後の自分を大きく成長させてくれるきっかけに他なりません。弘岡先生の講義には、そのきっかけがいくつもちりばめられているところがすごいところです。

その後、特別講師として古賀剛人先生にインプラントのリスクマネージメント、加治初彦先生に矯正学に関しての講義をして頂きました。
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左が特別講師の古賀剛人先生。講義に向かう電車が止まってしまい大変だったようです。
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右が加治先生。普段から人前に立つ機会の多い弘岡先生、加治先生、古賀先生はやはり人を引きつける雰囲気を持っている。

お二人ともご自身のコースをお持ちなほどの大先生。やはり話し方、振る舞い、もちろん講義の内容に人を引きつける魅力をお持ちでした。本当に贅沢なほど内容を詰め込んで下さり、時間いっぱい一生懸命講義をして頂けました。

そして講義が終わった後、帝国ホテルにて卒業式が行われました。皆さんにコースを通しての感想を話して頂き、感謝の言葉を頂いた時は、スタッフの一員として参加させて頂いてよかったと感じました。
色々ご不便おかけしたところもあったかとは思いますが、皆様に優しく接して頂き、本当にありがとうございました。
弘岡先生は論文に関しても症例検討に関してもディスカッションが大好きですので、ぜひこれで終わりとせず、また大きく成長された姿を見せにお越し頂ければと思います。

一年間お疲れさまでした!これから論文抄読会のJournal Club等もありますのでよろしくお願い致します。
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みなさま、一年間本当にお疲れさまでした!コースはこれで区切りがつきますが、勉強や臨床が終わる事はありません。だからこそ歯科の仕事は面白いしやりがいがある、と弘岡先生を見ていると感じずにはいられません。

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Message from SDC to Borås !

佐藤先生よりブログの更新がありました。最後に佐藤先生と一緒に写っているのがThore教授だとか…。
弘岡先生が写真をみるや、Thore教授と一緒にとった写真があると棚をあさり始めました。。Swedish Post Dental Academy(弘岡先生が手伝っていたGöteborg大学の日本における大学院)の打ち合わせの時に、Thore教授が来日、来院された事があるとの事です。
SDCの待合室で取った記念写真を探すと確かにそこにはThore教授の顔が…しかし名前はDr. Ulf Ortengrenとなっていました。あれ〜?…と怪訝そうな顔をする弘岡先生。
Ulf
左から弘岡先生、Dr. Ulf Ortengren、Prof.Emilson夫妻(一番右の方がCariologyの教授 Emilson先生)
左から2番目の方はThore教授と同じお顔にみえますが…別人なのか、はたまた複雑な家庭の事情があるのでしょうか?


調べてみたらThore教授の名前は Ulf Thore Ortengren で、向こうではミドルネームの "Thore"で呼ばれているようですね。当時(10年前)はまだ助教授で、このまま研究者になるか、開業医になろうか悩まれていたそうですが、その後無事に教授になられていたようでなによりです。
そのThore教授の下で研究をやられているのが中村先生です。
中村先生は以前、弘岡秀明ペリオコースを受講されていた東北大学の先生で、なによりもコレクテッドエビデンスの製作を弘岡先生とともに進められた先生として仲間内では有名です。
2008_04202ndJLSymposiumのコピー
片足をあげているのがProf.Lang。なんだか軽やかですね。左が弘岡先生、右が中村先生。コレクテッドエビデンス vol.2のProf. Langの欄にサインを書いてもらっている場面。

弘岡先生、佐藤先生、中村先生、Thore先生… 世界中で活躍する先生方が身近に感じられるのはSDCの大きな特徴の1つだと感じます。
当時、中村先生と書き上げたコレクテッドエビデンスですが、今度は中村先生の上司にあたる菅野先生と共著でコレクテッドエビデンス vol. 3を三月に発売予定です。内容はエビデンスと臨床症例を載せ、いかにこの2つをリンクさせているのかという事を解説したものになっています。
ぜひ皆さん、一読ください。
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コレクテッドエビデンス vol. 3。三月販売予定です。
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Special interview from Borås ~No.5~

先週、東北大学の中村圭祐先生(弘岡先生と共にコレクテッドエビデンスの著者)の紹介もあり、ノルウェーにあるトロムソ大学を見学する事ができた。トロムソ大学BiomaterialのThore教授と中村先生とで、歯科用ジルコニアの研究をしている。Thore教授が大学、病院、Institute内を紹介してくれた。最近、中村先生の為にジルコニアに関する装置を買ったんだ!と自慢げにとても大きな装置を見せてもらった。
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この大学は北極圏内にあり、世界で一番北にあるところである。Thore教授はこの大学のInstituteのヘッドでもあり、中を見学させて頂いた。その中で興味深かったのは、歯科学生が卒業する迄に、約10人ほどの患者の治療計画を立案し(もちろん責任者である先生と相談してである。)、治療も一通り出来る様になってから卒業していくというのである。見学中、補綴実習中の学生ともあったが、全ての学生が拡大鏡を使用しており、また各個人の目の前にはモニターがあり、実習で行われる内容が常に流れていた。なぜこのようにモニターを多く使い実習をしているかを訪ねると、学生がついたライターの能力で学生の教育に差でない様に、見て憶えられるものは一番手先がきれる人のビデオを流しているというのである。僕のいた大学ではこのような環境では教わらなかったな〜。と羨ましく思った。
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時間はいつの間にか過ぎ、Thore教授と一緒に、教授の息子さんを迎えるため、雪の降る中、幼稚園へと向かった。
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