日比谷便り ~スウェーデンデンタルセンター オフィシャルブログ~

患者様、コース受講生、歯科医療関係者への最新情報です。

2014年度 弘岡ペリオコース 第4回

週末はペリオコースがありました。
内容は、ケースプレゼンテーション、講義(分岐部病変、歯周病の分類) 、実習(顎模型・豚顎骨)でした。
講義の最初に、弘岡先生からBritish dental journal からの記事が紹介されました。
内容は、Lindhe 先生のコメントで、処置して保存できる歯が抜歯されて、インプラントが埋入されている、という、Implant over useに対する警鐘でした(PubMed)。弘岡先生と話している事が同じですね。さすが師弟関係。

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インプラントは素晴らしい治療ですが、それが天然歯の抜歯の基準を下げるような事はあってはならない。

そして、いつもの受講生に加え、客人が一人。 

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現在昭和大学歯周病科に留学中のDr.Mungunzul(過去の記事)。モンゴルから日本の歯科治療を学びに一年間留学されています。

ムングン先生は、とても勉強熱心で、弘岡先生の講義を必死にメモを取りながら聞いていました。日本語は少し話せるものの、専門用語がならぶ講義についてくるのは大変だと思います。しかし、最初から最後までメモを取る事はやめず、とても熱心に受講されていました。

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弘岡先生の話を一生懸命聞いている。受講生とも打ち解け、休み時間も楽しんでいるようでした。

実習は2日間に渡り行われました。初日は顎模型、2日目は豚顎骨です。
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実習は、全体の説明ののち、弘岡先生が1つ1つの席をまわりながら、アドバイスを加えていきます。

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時には、受講生の席に座り込み、お手本を見せます。言うまでもありませんが、奥に座っているのが弘岡先生です。受講生に紛れ込みながら指導するという、アクロバットな技術です。

弘岡先生は数多くの臨床経験に加え、実習指導の経験も豊富です。きっと的確なアドバイスをもらえると思いますので、どうぞ、積極的にご質問下さい。
コースも第四回…折り返しを迎えています。時間が経つのはあっという間でなんだか少し寂しいですね。
次回は再生療法。乞うご期待!

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2014年度 神戸秋期歯周病学会

週末は神戸で歯周病学会がありました。
弘岡先生も学会のシンポジストとして参加しています。
学会会場には意外と人が少ない…と思いきや
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 Before Hidde...

弘岡先生の講演が始まると、多くの人が会場を訪れ、席はあっという間に埋まっていきました。
さすが人気者です。
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After Hidde. 少し遅れてきた人は座るところが見つけられず、会場整理の方が空いている席を教えています。 

今回の学会のテーマは温故知新。治療や病気の原則原理は代わりませんが、科学や材料はどんどん更新されていきます。
気をつけなければならない事は、新しきを知る、というところだと思います。新しい材料、治療方法はものすごくたくさんありますが(毎年なにかしらのトピックスはあがっている)、20年後までその治療法が用いられている事は非常にまれでしょう。
大切な事は、ふるきを訪ねる事を忘れない事だと思います。過去にたくさんある治療方法の中から、現在あるスタンダードな治療方法が残っているのには理由があります。その流れを学ぶことが、流行に流されず、それでいて時代に取り残されないポイントではないでしょうか。
確かに、簡単な事ではありませんが、大きな時代の流れの渦中にいながら、真実を掴み続けた人たちがいるのですから出来ない事ではないと思います。
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温故知新。神戸の学会会場にて。
 
今では歯周病の原因がプラークである事は世間一般的にも知れ渡っていますが、数十年前までは諸説あり、主原因は咬合であると考えている人はたくさんいました。
現在やっている治療が、数十年のときを経ても道をそれていないように、そして次世代の歯科医師達にも胸をはれるような治療をしたいですね。

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ベトナムからのお客様

  • 2014年10月06日
本日はベトナムからDung先生が見学にいらっしゃいました。

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ベトネムで歯科医院を開業されているDung先生。

Dung先生は、日本に4ヶ月程住んでいた事があり、日本語がとても堪能です。奥様の学生時代の専攻科目も日本語とか。
弘岡先生は、かつてベトナムで講義をしており、Dung先生はその時の受講生だという事です。
その後、ヨーロッパ歯周病学会でばったり遭遇する事になるのですが、当時日本人もあまり参加者がいなかったときに、ベトナムで同志を集め、30人の仲間を引き連れ、団体バスにて会場入りを果たすという、情熱と行動力を持ちあわせています。
それ以降、メールにて症例相談を受けたりと、弘岡先生と親交があったようです。普段は自費診療を行っており、ベトナムでの歯科医療の向上に貢献する為、常に海外の情報にアンテナを張り、仲間同士で勉強しているそうです。また、地域の口腔衛生向上の為に、休日は仲間同士で器材を持ち寄り、治療費の払えない人々を対象にチャリティ診療を行っているという、まさに歯科医師の鏡とも呼べる先生です。
今回の来日は、日本で開催されたインプラントの国際歯科大会に参加する為で、合間をぬってSDCに顔を出して下さいました。

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ベトナムからこんなに大きなお土産を持ってきて下さいました。

診療が終わってから、東京駅近郊で食事をとりましたが、Dung先生の心遣いには本当に驚かされました。弘岡先生に対する配慮だけではなく、スタッフである私や山田先生に対する心遣いにも驚かされるばかりでした。
こちらからのお土産は弘岡先生の書籍一式です。
一部の日本語は読めないそうですが、写真も多いし、がんばって勉強する、とホテルまでの帰り道も仕切りにお話ししていました。勉強熱心で純粋な向上心に触れることで、私達も多くの刺激をいただく事が出来ました。
ぜひ、また東京に来られる際にはお声がけ頂ければと思います。
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弘岡先生だけでなく、スタッフまでお土産を頂いてしまいました。
  • Posted by sweden_dc
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  • 20:41 | Edit

Journal Club 2014 第3回

本日は2014年度Journal Clubの第三回目がありました。
内容は下記の通り
1.石川先生留学体験記
2.論文抄読;飯島 進吾 先生
Clin Oral Implants Res. 2013 Apr;24(4):363-71. doi: 10.1111/clr.12067. Epub 2012 Nov 26.
Experimental periodontitis and peri-implantitis in dogs.
Carcuac O1, Abrahamsson I, Albouy JP, Linder E, Larsson L, Berglundh T.
3.症例発表;菅原 孝 先生
4.論文抄読;吉田 誠 先生
Clin Oral Implants Res. 2014 Sep;25(9):1094-8. doi: 10.1111/clr.12235. Epub 2013 Aug 13.
Microbiota in experimental periodontitis and peri-implantitis in dogs.
Charalampakis G1, Abrahamsson I, Carcuac O, Dahlén G, Berglundh T.
5.弘岡先生講義

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石川先生留学体験記。やはり留学でもっとも大変だった事はお金と言葉だったようです。

石川先生は、弘岡ペリオコースのインストラクターを勤めた後、3年間イエテボリ大学矯正科に留学し、先日帰国されました。あちらでの臨床ケースを提示しつつ、留学にあたり苦労した事などを楽しくお話してくれました。

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論文抄読の風景
今回の文献は、両方ともIngemar Abrahamsson先生が著者となっている文献です。
Abrahamsson先生は、3月には日本での講演も控えているので、Journal Clubではそれに向けて文献を読み合わせしています。講演には、奥様のKajsa Abrahamsson先生も演者として参加されますが、心理学の学位も取得しており、歯科恐怖症など、患者の心理にたった研究が多く、非常に興味深いです。
Abrahamsson両先生の講演の情報も近いうちに更新致しますのでお待ち下さい。

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スクリーンに映っているのがAbrahamsson夫妻。とても優しい雰囲気をお持ちでした。

そして夜は反省会。
平日の夜だというのに、皆さんご参加ありがとうございます。
次回のJournal Clubは東京歯科大学名誉教授の奥田克爾先生のご講演があります。
内容も盛りだくさんですので、ぜひご期待下さい。

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やはり、女性が参加してくれると雰囲気が華やかで明るくなりますね!

  • Posted by sweden_dc
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