日比谷便り ~スウェーデンデンタルセンター オフィシャルブログ~

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2014 ジャーナルクラブ ”奥田克爾教授特別講演”

本日はジャーナルクラブがありました。
今回は特別講演。奥田克爾名誉教授をご招待しての開催になります。 
内容は以下の通り。
1、奥田たまき先生症例発表
2、冨岡栄二先生症例発表
3、奥田克爾教授特別講演”デンタルバイオフィルムとのバトル”

奥田たまき先生は、弘岡ペリオコースを受講してからの治療の変遷や、施設訪問での経験を発表して下さいました。
また、歯科医院は小さいコミュニティの中にしめる女性の割合が多いです。
そして、開業された先生の悩みでよく聞くのがスタッフトラブルです。 女医として、男性歯科医師がとるべき対応に関しての意見も言及されていました。 
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お父さんの前での発表。緊張を微塵も感じさせない堂々とした症例発表でした。

冨岡先生の症例発表は、パソコン、液晶を二台用いての発表でした。聴衆への心配りが随所に見られ、とても聞きやすく、また興味深い内容であり、さすがの一言でした。そして文献ベースに確立した治療や、再評価時にレントゲン撮影が必要か否かなど、信念をもって治療をされている様がよくよく伝わってきました。
この症例は、10年程?前に臨床歯周病学会で取り上げられたもので、冨岡先生の症例発表の後に、Lindhe先生 とNevins先生が考察を加えるという、非常に興味深い企画に用いられた症例という事です。
これから、Lindhe 、Nevinsの考察が入るぞという、とってもとっても気になるところで、次回へ持ち越しとなってしまいました。続きがとても気になりますが、次回を楽しみに待ちましょう。
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PC二台にプロジェクター二台用いての講演。Göteborg大学ではさらにもう一台ずつ用意していたとか。

そして奥田教授の特別講演。
情熱的で、誠実に、おもしろく、細菌学に関して講演して下さいました。
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講演の最中も右へ左へ移動しながら、体全体を使って講義をして下さいました。
「見えない細菌を見える様にする(聴衆にイメージさせる)のは大変なんだ」といいながら、身振り手振りを交えながら説明して下さる姿は、なんとも印象的です。
口腔内細菌に関する歴史的な総論や、バイオフィルムが与える全身への影響、歯周炎に対する抗生剤の効果など、限られた時間の中で数多くのお話をして下さいました。
印象に残る話は多かったですが、1つ挙げるとするならば、歯周炎にたいする抗生剤の効果でしょうか。成熟したバイオフィルムに対して抗生剤を用いると、いずれ耐性が出来てしまう。故に、従来の手法による歯周治療が不可欠なのだ、というお話です。
私たちが日々行う臨床は、基礎研究の上に成り立っているかと思います。
今回、奥田教授のご講演を拝聴する事ができ、基礎研究と、臨床が密接にかかわり合っている事を再認識する事が出来ました。この度は本当にありがとうございました。
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奥田教授の講演スライドには、たまき先生の絵もたくさん用いられている。

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最後は懇親会です。すごい人数です。 
  • Posted by sweden_dc
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