春を感じ始めた3月9、10日に歯周インプラント補綴コースの第3回が開催されました。
本コースは東北大学との共催であるため、第3回となる今回は、東北大学歯学研究科大学院の研究科長・学部長でいらっしゃる佐々木啓一教授による講義が行われました。
佐々木教授は補綴科の教授であり、日本補綴歯科学会はもちろん、多くの学会の会長を歴任してきた方です。本コースも補綴治療の実習がメインであるため、歯周補綴治療とも関連する、歯科治療における力学の話をしていただきました。
大学教授ならではのご自身の教室での研究内容、東北大学という日本有数の総合大学であることを利用した工学部との共同研究や、海外の大学とのコラボレーションによる最先端機器による研究の紹介まで、歯科だけでは到底成し得ない工学的な知見からもたらされる研究結果を講義していただきました。今後、これらの工学のエキスパートからの歯科へのフィードバックが得られ、インプラントにおける力学的な適正埋入本数の決定や、補綴治療における適正な上部構造のデザインなど、臨床応用が期待されます。
ランチョンセミナーでは東北大学の菅野教授による、歯科治療における、特に骨代謝などへの全身的なアプローチについて講義していただきました。歯科医師は口腔内にのみ目を向けがちになってしまいがちですが、全身的な状況に目を向ける視野の広さも大切なことがわかりやすく解説されていました。
実習も佳境を迎え、咬合採得とプロビジョナルの調整という全顎的な補綴治療における重要なステップであったため、集中力を必要とする繊細な実習となりました。
次回は最終回です。いよいよ完成となりますので、どのような物が仕上がるか楽しみです。