患者様、コース受講生、歯科医療関係者への最新情報です。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30807404
昨年5月14-15日、スイス・チューリッヒにおいて国際歯科連盟(FDI)主催で国際口腔インプラント学会(ICOI)の協力のもと、インプラント周囲病変について各国から20名ほどの専門医が招聘され、ワークショップ(Peri-Implant Diseases Project Workshop)が開かれました。
Working group 3 の面々、左からHirooka, Renvert, Wang, Kelekis-Cholakis
現在では、インプラントは広く普及して一般的なものとなり、インプラントを行わない歯科医師のもとにもインプラント周囲病変の患者さんが訪れる時代になっています。2015年の欧州歯周病学会(EFP)のコンセンサスレポートによるとインプラント周囲粘膜炎の有病率は43%、インプラント周囲炎は22%と報告されています。ひとたびインプラント周囲炎になると、現在のところ確定した治療方法は見つかっていないゆえに予防がキーです。
そこで広くインプラント周囲病変(診断から、治療、メインテナンスまで)について専門医はもちろん、一般臨床医、歯科技工士、歯科衛生士、そして患者さんにも理解してもらうためにFDIの声かけのもとワークショップが開かれたわけです。
FDI, ICOI: Peri-Implant diseases Project Workshopに招聘された面々
この時の会議のposition paper (review paper)がICOIのImplant Dentistryに出版されました(April 2019 - Volume 28 - Issue 2 https://journals.lww.com/implantdent/pages/currenttoc.aspx)。まるまる1冊インプラント周囲病変(診断から、治療、メインテナンスまで)について最新の情報が、一般医にもわかりやすくまとめられていますので、是非参考にして下さい。
私の担当が、S. Revert教授との連名で “Diagnosis of Periimplant Disease”https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30807404です。米国歯周病学会(AAP)とEFPでの分類は、歯周病やインプラントに携わる専門家を対象としたものですが、FDIの要望で一般医にも理解しやすく書いたつもりです。
先日FDIの学術誌 “International Dental Journal” (IDJ)からacceptがきたので近々この時のコンセンサスレポート(whitepaper)が出る予定です。楽しみにしていて下さい。
Peri-Implant Diseases Project Workshop. Diagnosis and non-surgical treatment of peri-implant diseases and maintenance care of patients with dental implants .Consensus report of working group 3.
Renvert, Hirooka, Polyzois, Kelekis-Cholakis, Wang