日比谷便り ~スウェーデンデンタルセンター オフィシャルブログ~

患者様、コース受講生、歯科医療関係者への最新情報です。

東北大学共催:弘岡秀明 歯周インプラント補綴実習コース(第4回)

東北大学共催:弘岡秀明 歯周インプラント補綴実習コースの第1期が終了しました。
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初日は、東北大学の実習室にて講義と実習を行いました。
重度歯周病により大臼歯の分岐部を越えて骨を喪失してしまった場合、その多くは抜歯されてしまいます。しかし、歯根を分割したり、状態の悪い歯根だけ除去し、磨ける状態にすることで歯の保存が可能になることがあります。
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午前中は、そのための科学的な根拠に基づく講義と、それを実践するために必要なhow-toを学ぶ実習でした。午後は、東北大学の菅野教授による短縮歯列の講義、クロスアーチブリッジの試適からセットまでの講義と実習と初日から盛りだくさんになってしまいました。
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初日の夜にはロイヤルパークホテルにて卒業式が行われ、サーティフィケートの授与と記念撮影を、二次会はホテルのバーを貸切り、さらに三次会からは弘岡先生の泊まる広大なロイヤルスイートルームで延々と続きました…
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2日目はスウェーデンデンタル仙台の講義室にて、スウェーデンデンタルセンターでの数多くの歯周補綴の長期症例を供覧しながら、長いメインテナンス期間に起こるトラブルへの対処方法やリカバリー方法まで、日常的に歯周補綴治療を行い、補綴後も長期にわたって患者さんと良好な関係を維持し、メインテナンスに通っていただいている医院でしか成し得ない講義となりました。
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昨年9月から4回に及んだ、重度歯周病に罹患した歯を残すための科学的な根拠とhow-to、インプラントまで学べる、東北大学公認コースに参加していただいた受講生皆様、そしてクロスアーチブリッジを製作してくれた技工士の皆様、お疲れ様でした。
第2期も受講生を募集開始いたしましたので、興味がある方はご連絡ください!
  • Posted by sweden_dc
  • 10:10 | Edit

やっと出ました!Revert教授との連名で“Diagnosis of Periimplant Disease

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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30807404

 昨年
514-15日、スイス・チューリッヒにおいて国際歯科連盟(FDI)主催で国際口腔インプラント学会(ICOI)の協力のもと、インプラント周囲病変について各国から20名ほどの専門医が招聘され、ワークショップ(Peri-Implant Diseases Project Workshop)が開かれました。
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Working group 3 の面々、左からHirooka, Renvert, Wang, Kelekis-Cholakis


 現在では、インプラントは広く普及して一般的なものとなり、インプラントを行わない歯科医師のもとにもインプラント周囲病変の患者さんが訪れる時代になっています。
2015年の欧州歯周病学会(EFP)のコンセンサスレポートによるとインプラント周囲粘膜炎の有病率は43%、インプラント周囲炎は22%と報告されています。ひとたびインプラント周囲炎になると、現在のところ確定した治療方法は見つかっていないゆえに予防がキーです。

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 そこで広くインプラント周囲病変(診断から、治療、メインテナンスまで)について専門医はもちろん、一般臨床医、歯科技工士、歯科衛生士、そして患者さんにも理解してもらうために
FDIの声かけのもとワークショップが開かれたわけです。

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FDI, ICOI: Peri-Implant diseases Project Workshopに招聘された面々

 この時の会議の
position paper (review paper)ICOIImplant Dentistryに出版されました(April 2019 - Volume 28 - Issue 2  https://journals.lww.com/implantdent/pages/currenttoc.aspx)。まるまる1冊インプラント周囲病変(診断から、治療、メインテナンスまで)について最新の情報が、一般医にもわかりやすくまとめられていますので、是非参考にして下さい。
 私の担当が、S. Revert教授との連名で “Diagnosis of Periimplant Disease”https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30807404です。米国歯周病学会(AAP)とEFPでの分類は、歯周病やインプラントに携わる専門家を対象としたものですが、FDIの要望で一般医にも理解しやすく書いたつもりです。
 先日FDIの学術誌 “International Dental Journal” (IDJ)からacceptがきたので近々この時のコンセンサスレポート(whitepaper)が出る予定です。楽しみにしていて下さい。
Peri-Implant Diseases Project Workshop. Diagnosis and non-surgical treatment of peri-implant diseases and maintenance care of patients with dental implants .Consensus report of working group 3.
Renvert, Hirooka, Polyzois, Kelekis-Cholakis, Wang

 

  • Posted by sweden_dc
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