国際口腔インプラント学会東京WEB講演会の3回目の収録が終わりました。
今回はインプラント周囲病変について講義しています。
コペンハーゲンで開催されたヨーロッパ歯周病学会(EuroPerio10)で、いきなり入り口で旧知のスペインのMariano Sanz教授と遭遇
インプラント周囲炎も天然歯と同様に、細菌性プラークにより引き起こされる病気であることを、ヒトおよび動物による研究から解説しました。その有病率はスウェーデンでインプラント周囲炎が22%、インプラント周囲粘膜炎ではなんと43%も認められたと、イエテボリ大学歯周病科の准教授Jan Derksらが報告しています。歯科における予防が進んでいるスウェーデンですら、かなり多くの患者にこの病気が認められることをエビデンスをもとに解説しました。
イエテボリ大学のDerk准教授の講義後、弘岡先生はちゃっかり自分の教科書の宣伝しています。
インプラント周囲病変の分類方法は、弘岡先生とスウェーデンのStefan Renvert教授の共著であるFDIのコンセンサスレポートから解説しました。また、インプラント周囲炎の治療は、弘岡先生のイエテボリ大学時代の同級生であるSerino先生による一連の2年、5年、10年のフォローアップ論文から、実際のスウェーデンデンタルセンターでの症例を提示しながら考察しました。やはりインプラント周囲の骨まで喪失した状態であるインプラント周囲炎になってしまうと治療が難しく、確定的な治療方法がみつかっていないので、予防と少なくとも初期の段階で病気を発見し進行しないようにすることが大切です。
Dr. 弘岡に聞く臨床的ペリオ講座スカンジナビアンアプローチの実践より
インプラント埋入前に、インプラント周囲の病気のリスクとSPTの必要性を患者に知らせるべきであり、禁煙、歯周病の治療は、インプラント処置に先立って行わなければなりません。そして、インプラント埋入後には、上部構造はプロービング、患者および術者の清掃がしやすい形態に、患者には個々の口腔衛生について定期的検査と再教育を伴う指導を受ける必要があります。
インプラント周囲炎についてのRenvert教授、Derks准教授、オスロ大学のKoldsland准教授の討論会に参加。
弘岡先生が、4年ぶりに110カ国、7500人の参加者を集め開催されたヨーロッパ歯周病学会に、数人しかいなかった日本人参加者のひとりとして学会参加した直後ということもあり、ヨーロッパの最新情報を入れながら講義を行いました。
公開を楽しみにしていてください。