国際口腔インプラント学会東京WEB講演会の4回目の収録が終わりました。
今回は『歯周病患者のインプラントの実際』について講義しています。
まずは復習、今回の講義に大きく関連する「歯周病患者にインプラントは応用可能か?」からスタートです。
無歯顎に対するインプラントでは上下顎とも生存率が高く(Adell1990)、非常に有効な方法であり、また、部分欠損に応用されたインプラントも無歯顎と同様に予知性の高い治療方法であることが報告されています(Lekholm1994)。一方、歯周病患者への適用では10年で90%の生存率(Karousis2003)が報告されています。適切な歯周治療により感染を徹底的に除去してからの埋入と、インプラント埋入後の厳格なサポーティブセラピーによる歯周組織の健康維持が必須(Roccuzzo2010)ではありますが、歯周病患者にも十分に応用可能であることがわかります。
実際の臨床で遭遇する歯周病による骨吸収で埋入困難な症例に対してのショートインプラント(Schincaglia2015)や傾斜埋入(Koutouzis2007)またカンチレバー(Aglietta2009)による対応(クインテッセンス・デンタル・インプラントロジー2022, 09弘岡、折居にて詳しく説明)やDr加治との矯正、インプラント歯周補綴でのキーアンドキーウェイKey & Keywayを使った20~25年の長期症例の解説がされました。いずれの症例も徹底的な感染の除去と厳格なサポーティブセラピーが必要であり、リスクは天然歯よりも高いということを常に忘れてはいけないのでしょう。つまり、患者さんが通院してくれること、患者さんと歯科医師、技工士、歯科衛生士のチーム医療でないと守ることができないということです。
そして、サポーティブセラピーにおいてもインプラント周囲粘膜炎とインプラント周囲炎の鑑別、インプラント周囲炎に対しての有効な治療がない以上、少なくともインプラント周囲粘膜炎の状態で見つけ、病気の進行を止めなければならなりません。その重要なサポーティブセラピーでの注意点をスウェーデンデンタルセンターの歯科衛生士加藤典が解説するウェビナーは近日公開定です!!
林
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。