日比谷便り ~スウェーデンデンタルセンター オフィシャルブログ~

患者様、コース受講生、歯科医療関係者への最新情報です。

2024年度弘岡秀明ペリオコース始まりました!


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518,19日に「2024年度 弘岡秀明ペリオコース」が始まりました。

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本コースは通算25年以上に渡り開催されておりますが、今年度はこれからスカンジナビアンアプローチを学び日々の臨床に役立てたい先生方はもとより、歯科衛生士の方や、当コースを過去に受講された再聴講生の先生方など、様々な受講生が集まりました。

 

これから1年間を通して、弘岡先生がスウェーデンイエテボリ大学で歯周病学の世界的権威Lindhe教授のもとで学ばれた、「スカンジナビアンアプローチ」(Carranza ; History of periodontology 2003) について学んでいきます。

 

講義では、歯周治療に携わる者なら誰でも知っているような有名な論文からインプラント周囲炎などの最新のトピックについて、弘岡先生自身の20,30年と長期に渡る症例を提示しながら、その著者本人と直接知り合っていたりディスカッションしてこられた人しか知らない裏話を織り交ぜて解説していきます。

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本コースは弘岡先生が出版された「コレクテッド エビデンス」や「Dr.弘岡に訊く臨床的ペリオ講座“スカンジナビアンアプローチの実践”」の内容に沿って進められますので、これらを購読しながら勉強することでより理解が深まることでしょう。

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さて、第1,2日目では歯周病学の基礎である生物学や病因論、検査法などについての講義の他、重度歯周病に罹患した患者さんが来院した際の治療計画について、2グループにわかれてディスカッションしました。

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また実習では規格性のある口腔内写真撮影の方法について学びました。

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一日目の夜には入学式がグランドプリンスホテル高輪にて行われました。乾杯の音頭はスウェーデン式の「スコール!」で!

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次回からは受講生の方々によるケース発表も始まりますので熱いディスカッションが期待されます!


 

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東京大学安田講堂

弘岡先生が東京大学安田講堂で講演しました。 
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スウェーデンからは歯周病学とう蝕学の教授陣が来日しました。
弘岡先生と10年来の友人でもあるStefan Renvert教授は、インプラント周囲炎に関するベーシックな講義で、インプラント周囲炎治療の現在の到達点をわかりやすく講義してくれました。
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続く弘岡先生もインプラント周囲炎について、実際の臨床例を提示しながらの講演しました。
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イエテボリ大学歯学部学部長を務めるPeter Lingstrom教授は、フッ化物含有ペーストの推奨される使用方法として、
歯の萌出時からは濃度1000ppmを子供の爪くらいの量で1日2回、2歳から6歳までは1000ppm エンドウ豆程度を1日2回、6歳以上は1450ppm、1-2cmを1日2回、12歳以上は1450ppm、2cmを1日2回の使用を説明していました。先日発表された日本でのアップデートとほぼ同一の内容なので、欧米のスタンダードとの一致を再確認できました。その他、フッ化物歯面塗布法として、NaF含有マウスウォッシュ、カスタムトレーによるフッ化物ジェル、5000ppmぺースト、22600ppmフッ化物バーニッシュ等も詳しく講義してくれました。
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先日ジャーナルクラブで講演していただいたDowen Birkhed教授同様、う蝕予防におけるフッ化物の使用を強調していました。 
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Prof. Dowen Birkhed特別講演会

スウェーデンカリオロジー界の巨匠Dowen Birkhed教授がジャーナルクラブで講演しました。ジャーナルクラブでは久しぶりの国外スピーカーへの依頼です。
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Dowen Birkhed教授は、弘岡先生がイエテボリ大学歯周病科の大学院一期生だった1990年に、マルメ大学のカリオロジーの教室から巨人Bo Krasse教授の後任としてイエテボリ大学に着任し、弘岡先生も直接指導を受けたそうです。IADR(国際歯科研究会)での受賞歴もあるカリオロジーの分野では高名な先生です。
講演前にはスウェーデンデンタルセンターを表敬訪問し、弘岡先生の留学時代のBirkhed教授による試験問題について討論していました。
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講演はスウェーデンデンタルセンター隣のビルの11階にできた東京タワーが見える最新の会場で、歯周治療後には避けて通れない根面カリエスについて最新情報を提供してもらいました。通訳はDowen教授と旧知のなかの、NPO法人「科学的なむし歯・歯周病予防を推進する会」(PSAP)理事長・歯科医師の西真紀子先生です。 
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根面にはミネラルが足りないのでう蝕になりやすいが、う蝕処置に用いられるいかなる修復材料も推奨されるエビデンスがないため、予防することが大切であること、予防には高濃度フッ化物ぺーストと進行抑制には38%フッ化ジアミン銀の使用、そしてイエテボリメソッドについてエビデンスベースで再確認しました。
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Toothbrushing techniqueではなくToothpaste technique!

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臨床に直結する最新情報とともに、受講生にご自身でラッピングしたプレゼントを配布してくれました。

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日比谷公園内の松本楼での懇親会では質問がたくさん出ていました。
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国際口腔インプラント学会東京WEB講演会(第4回)

国際口腔インプラント学会東京WEB講演会の4回目の収録が終わりました。
今回は『歯周病患者のインプラントの実際』について講義しています。

まずは復習、今回の講義に大きく関連する「歯周病患者にインプラントは応用可能か?」からスタートです。
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無歯顎に対するインプラントでは上下顎とも生存率が高く(Adell1990)、非常に有効な方法であり、また、部分欠損に応用されたインプラントも無歯顎と同様に予知性の高い治療方法であることが報告されています(Lekholm1994)。一方、歯周病患者への適用では10年で90%の生存率(Karousis2003)が報告されています。適切な歯周治療により感染を徹底的に除去してからの埋入と、インプラント埋入後の厳格なサポーティブセラピーによる歯周組織の健康維持が必須(Roccuzzo2010)ではありますが、歯周病患者にも十分に応用可能であることがわかります。
実際の臨床で遭遇する歯周病による骨吸収で埋入困難な症例に対してのショートインプラント(Schincaglia2015)や傾斜埋入(Koutouzis2007)またカンチレバー(Aglietta2009)による対応(クインテッセンス・デンタル・インプラントロジー2022, 09弘岡、折居にて詳しく説明)Dr加治との矯正、インプラント歯周補綴でのキーアンドキーウェイKey & Keywayを使った2025年の長期症例の解説がされました。いずれの症例も徹底的な感染の除去と厳格なサポーティブセラピーが必要であり、リスクは天然歯よりも高いということを常に忘れてはいけないのでしょう。つまり、患者さんが通院してくれること、患者さんと歯科医師、技工士、歯科衛生士のチーム医療でないと守ることができないということです。
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そして、サポーティブセラピーにおいてもインプラント周囲粘膜炎とインプラント周囲炎の鑑別、インプラント周囲炎に対しての有効な治療がない以上、少なくともインプラント周囲粘膜炎の状態で見つけ、病気の進行を止めなければならなりません。その重要なサポーティブセラピーでの注意点をスウェーデンデンタルセンターの歯科衛生士加藤典が解説するウェビナーは近日公開定です!! 

林 

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2023年度 弘岡秀明歯周病学コース再開!!

5月20, 21日についに対面の弘岡秀明歯周病学コースが再開されました。

弘岡先生がスウェーデンから帰国後、25年間で450名以上の受講生を迎えた歴史あるコースが、コロナ禍により3年間休止されていました。その間、オンラインのセミナーを開催しましたが、受講生と直接話をすることも、実習することもできず、もどかしい思いをしてきました。
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コースを再開するにあたり新たな研修会場を探すことになりましたが、コースでは豚顎を使用した実習を行うので、それに見合った会場を確保することが非常に困難でした。そんな窮地に、受講生の1人であり大森で開業されている横須賀先生が、自院の研修会場を提供していただけるとのことで、今年からコースを開催することができました。1ヶ月程度の急な募集にも関わらず、20名弱の先生が日本中から集まってくれました。皆さんコースの再開を待ち望んでいたので、食い入るように受講していました。業者を含め、多くの人々に支えられてコース再開ができました。関係者の皆様、受講生の皆様ありがとうございます。
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これから1年間、患者に寄り添うスカンジナビアの歯周治療とインプラントの勉強をする予定です。今回の受講生には、コースの長い歴史上初めて獣医の先生がいらっしゃいます。どうやら日本のペットにもスカンジナビアンアプローチが適用される日が来そうです。
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